止水板メーカー選びの失敗事例とオススメの比較方法を紹介

止水板メーカーの選び方が分からなくて困っていませんか?今回は、主に事業所や店舗・工場に止水板を検討している、事業を浸水被害から護りたい法人の方々を対象に、導入後に後悔した止水板メーカー選びの失敗事例と、回避するためのおすすめの比較方法を紹介したいと思います。
目次

止水板メーカーをはじめて選ぶとき、「いろいろなメーカーのカタログを見たけど、どこがいいのか分からない」と困っていませんか?

止水板について調べてみると「専門的な用語がたくさん書いてあって分かりづらい」「どこのメーカーも同じように見える」「そもそも何を基準にして選んだらいいか分からない」など不安をお持ちの方も多いかと思います。

実際に導入してから後悔したというお話しを企業様から聞くことがあります。最悪の場合は、別の止水板を購入しなおすということも起こりえます。

そこで今回は、導入後に後悔した止水板メーカー選びの失敗事例と、そこから学ぶ止水板メーカーの比較方法を紹介します。

止水板メーカー選びの失敗事例

失敗事例①止水性能が低い

「どれも同じだから」という安易な気持ちで止水板メーカーを選ぶと、浸水テストをしたり実際に大雨の時に使ってみると「思っていたより水が漏れてくる」ことに気づきます。

様々なメーカーが製造している止水板ですが、見た目の印象はほとんど同じに見えます。ただ、高度な技術を必要とする止水構造は製品やメーカーの違いが表れる、重要なポイントになります。

止水板を高額な機材や商品を護るために設置している場合などには、止水性能が低い影響で大きな損害を出してしまいかねません。

失敗事例②設置工事が大規模で費用がかさんだ

止水性能も高く、利便性も高いので選んだものの「設置工事が大規模なものだった」と実際に工事が始まってから驚いたということがあります。

止水板を設置する間口の底面や側面を削って、専用の金具をとりつけて、コンクリートで固めて…などなど、止水性能を維持するために、大掛かりな工事を必須とする製品は多くあります。

何日もかかるような場合、施工費用が高くなるのと同時に、店舗や営業所などでは、お客様への影響もありますので、事前の調整作業も発生することを考慮しておく必要があります。

失敗事例③構造が複雑で使える人が限られる

「設置工程が多い」「使う部品の種類が多い」「慣れない形状で説明書の読み込みが必要」といった理由から、結局はメーカーから説明を受けた担当者など、限られた人間しか使えないという状況が発生します。

突発的なゲリラ豪雨など、いつ発生するか予測が難しいため、いつでも止水板を設置できる体制を作っておくことが重要です。

そのためにも、設置方法を周知しやすい、「誰でも使える構造の止水板」であることが体制の強化につながります。

失敗事例④サポートしてもらえない、時間がかかる

施工業者に問い合わせてみると「メーカーに確認する」と言ってから返事がこない。「不具合対応のみしかやれないと断られた」「サポートに連絡しようとしても繋がらない」といった対応をされることがあります。

そもそもサポートがない業者や、複数の業者が仲介しているケース、メーカーや製造が海外の場合に、対応に時間を要することが多いようです。

ほとんどの人が初めて使う止水板だからこそ、困ったら相談できるサポート体制があるかどうかは重要になってきます。

失敗事例⑤故障して正しく設置できなくなった

設置訓練の際などに「部品をなくした」「曲がってしまい正しく設置できない」「誤った取り付け方をしたら取れなくなった」といったトラブルが発生することがあります。

止水板本体は大きく、強度は高いため壊れることはあまりありませんが、後付けの部品などは、壊れたり紛失するなどのリスクが高まります。

そのため、可能な限り独立した部品が少なく、作業工程も少なく分かりやすいことが望ましいです。

止水板メーカーを選ぶポイント

選ぶポイント①「止水性能」はJIS規格JIS A 4716を基準に

JIS規格「JIS A 4716」とは

近年、大雨による浸水災害によるリスクが増加している中で、多種多様な浸水防止用設備製品が販売されていましたが、浸水防止性能の評価方法が統一されていませんでした。そこで、品質に合わせた製品を選べるように制定されたのが「JIS A 4716」です。

まずはJIS規格に相当しているかどうか

止水板のカタログやホームページにJIS規格の基準に相当する記載の有無を確認しましょう。記載がある場合には基準に沿った止水性能を期待できます。逆に、止水性能について具体的な記載がない場合はリスクがあると言えます。

等級はWs-6もしくはWs-5がおすすめ

JISA4716には「漏水量による等級」が定められています。等級はWs-1~Ws-6の6等級からなっており、最も止水性能が高いのがWs-6(漏水量0.001 m3/(h・m2)以下)になります。

Ws-1とWs-6の漏水量を比較すると200倍以上もの差があります。高い止水性能を求める場合はWs-5、Ws-6に相当する製品を選ぶことをおすすめします。

漏水量の検査は第三者機関による調査だと安心

JISは規格であって法規ではないため、強制力がありません。その為「漏水量による等級」も決められた機関が検査をして認定するわけではなく、各社で検査を準備して、その結果を公表しています。

そこで、主に「自社調べ」「第三者機関調べ」の2択になりますが、より公平な立場で検査する点で「第三者機関調べ」が安心だと言えます。 

選ぶポイント②設置工事の規模を確認する

ほぼ設置工事があると思った方がいい

止水性能が高い製品は基本的には「設置工事がある」と考えておいて良いかと思います。「工事不要」と書かれている製品であっても「状況によります」と補足がついていますので確認してみてください。まったく必要がないという製品については、止水性能が劣るか、設置条件が非常に厳しくなっていることがありますので、確認した上での検討が必要です。

高い止水性能×工事が少ないことが理想

設置工事の方法・規模に、製品による違いが表れやすいです。「止水性能は高いけど、大掛かりな工事が必要な止水板」よりも「止水性能が高くて、工事は少ない止水板」であることを意識するのがオススメです。

止水板を購入した際の料金は、止水板の製品代を除くと、設置工事費用と工事に使用する部品代が大きな割合を占めるケースが多いため、事前にしっかりと確認しておきましょう。

選ぶポイント③直感的に使えそうか

設置訓練は必ずやる

前提として、設置訓練の実施を強く推奨しています。どれだけ簡単な構造であっても、1度設置したことがあるかどうかの経験は、より早く、正確に対応が必要が有事においては、とても大切です。

時間経過とともに忘れる

設置訓練をしていたとしても、基本的には時間の経過とともに忘れていきます。実際に使う際には、設置マニュアルなどを見て、少しづつ思い出しながらの作業となります。

そのため、設置の工程や部品が多い製品の場合、当然のことながら思い出すのに時間が必要となり、正確に設置できないリスクが高くなります。

理想は説明書なしで使えること

訓練をしてから時間が経過している、有事なので動揺している、など設置ミスのリスクはどうしても発生してしまいます。

そこで重要なのが、ミスが起こりづらい構造であることです。説明書に頼らずとも、モノを見て直感的に設置ができる止水板は、楽なだけでなく、確実に止水するという点においても重要です。

選ぶポイント④「サポート」は国内対応が安心

スピード対応できる体制であること

サポートでまず重要な要素は「スピード」です。疑問にすぐ答えてくれるのか、環境に合わせた調整が可能なのか、などサポートが必要な時はすぐに返答がほしいものです。

そこでポイントとなるのが、サポート窓口と技術的な確認をする設計、製造現場の距離が近いことです。仲介する人・会社が多いと伝言ゲームのように余計なやり取りが発生し、返答に時間を要する可能性が高くなります。

柔軟な対応は性能にも影響

止水することを追求して作られた止水板は、とても精密に出来ています。

ただ、設置する間口の大きさや材質、凹凸の状況、使われ方や保存方法など、状況は様々であることから、少なからず設置環境に合わせて調整するのが一般的です。

事前の現地調査、設置工事の際、設置後の調整など柔軟に対応できることが、性能の最大化に繋がります。

製造元を1つの基準に

止水板の製造元を確認することをおすすめします。

パッと見で分かりづらいですが、海外製の止水板も多く市場に出回っています。アジアやヨーロッパなど、浸水被害が発生している国で実績を積んでいるメーカーが多い印象です。そういった製品を日本の会社が代理店契約を結ぶなどして販売しています。

海外メーカーの製品を選ぶ場合には、サポート体制と、対応範囲を事前に確認しておくと良いでしょう。それでも不安が残る場合には、日本製の製品を選ぶことをおすすめします。

選ぶポイント⑤「壊れにくい」のは部品数が少ないシンプルな製品

故障すると費用も手間もかかる

止水板が故障したときの修理には、手間も費用もかかる傾向にあります。ほんの少しのズレが水漏れに繋がる止水板は、修理の難易度も高く検査も含めると手間がかかるため、費用が高くなったり修理不可で買い替えとなるケースもあるでしょう。製品自体も大きいため発送だけでもひと苦労です。

中・長期で見たときに「壊れにくい」ことは手間・費用面においてもメリットが大きいです。

機能が多い製品には注意

止水性能や利便性を高くするためにと、機能満載の製品はとても魅力的に見えますが注意が必要です。止水板は水圧が大きくかかるだけでなく、設置する際には水が漏れないようにと人の力も強く加わります。部品が「簡単に曲がったり」「折れたりしないか」という観点で製品を選定しましょう。

シンプル構造は技術力が高い証

もし、迷ったら構造がわかりやすいシンプルなものをおすすめします。構造が簡単であるのにも関わらず性能が良い製品は、高い設計・解析・製造技術で作られていると言えます。部品を取り付ける、金属を厚くするなど、手を加えることで性能を上げることよりも、様々な工夫や検証を積み重ねた無駄のない洗練された製品は、不具合や故障のリスクも少なく、総合的にも品質が高い印象が強いです。

止水板メーカー選びの失敗事例とオススメの比較方法を紹介まとめ

今回は、導入後に後悔した止水板メーカー選びの失敗事例と、回避するためのおすすめの比較方法を紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか。

メーカー選びに失敗してしまうと、最悪の場合には買い直しになることも起こりえます。

同じように見える止水板ですが、メーカーによって異なる点も多いため、しっかりと見極めることが大切です。

今回、紹介させていただいたポイントを押さえることで、多少なりとも失敗のリスクが軽減できればと思います。

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具体的な見積りを依頼する前段階などに、是非ご活用ください。

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